泣き落とし却下


つぃったでぶつぶつ書いてても埒が明かないし、どうにも腹の虫が収まらないので書いておくことにした。


いろんな仕事を請け負って人にも振っておきながら、いざとなると自分アピールに夢中になり、周りを放置するというアーティスト兼ディレクターの話を以前書いた


実は、去年のそのラジオ収録のあと、レコーディングとプロデュースをお願いできないか、と彼の知人を紹介されていた。話を聞くとその知人、特にライブ活動などはやっていなかったが、密かに曲を創り貯めており、聴いたところなかなか良い曲だったので、是非アルバムを創ろう!と彼のほうから声をかけたということだ。


まあそれは仕事の紹介ということでよかったが、その後の詳細打ち合わせから問題が起こる。まず予算が破格に少ないのだ。

「いやいや、いくらなんでもそれは勘弁してくださいよ」と当然オレは言った。すると「実は…」と彼が話し出す。

「あの人はある病気のため余命を宣告されているのです…」「自分も最初は、その予算は困ると言った。しかし病気のことを聴き、断れなかった」と。


これはもう最低のパターンであった。泣き落とし。最悪のパターン。個人的に、仕事に「泣き落とし」を持ち込まれるくらい冷めることはない。ホントにやる気なくす。「はぁ?なにそれ」ってマジで思う。冷酷と言われようがなんだろうが、ともかく嫌い。そんな情なんかで仕事できるかよってんだ。


そんでもう半分呆れて放置してたら、その後連絡があって「では1曲だけをその値段でやっていただけませんか?残り(その時点で5曲あった)は自分がやりますから」と。それでも「泣き落とし」の違和感はどうにも拭えなかったけど、まあそれならいいか、と多少気分を持ち直し、仕事にかかった。


そうして先日デモを持って打ち合わせに。「アレンジ3種類*1ありますから、依頼主に好きなアレンジを選んで貰ってください」と言うと「実は」と。


きたきたきたー。彼の「実は…」程怖いものはない。


で、その「実は」の内容。なんと、自身のアーティストとしての活動が忙しくなったので、こっちをやる時間がなくなった、つきましては残りも全部やってもらえませんか?と。で、予算聴いたら、まあできない額でもないけど、それで自分忙しいのに、レコーディングすんで、その音源どうするのって聞いたら、もちろんCDにするようにしますから、と。

するようにします、じゃねえよ、「します!」って言えよ。オレの仕事、倉庫の過去ログ扱いするつもりかよ。そんで自分はプロモーション回って楽しい思いかよ。

そんで更に話を聴くと、今回のレコーディングで参加予定だったミュージシャンの方々も、全部自分のプロジェクトに持っていく、と。だからオレのほうは何とかひとりでやってくれ、って・・・。

つまり面倒な事、全部こっちに押し付けて行こうとしてる訳ですよ。そんでバックには「泣き落とし*2」が控えてて、同義的に断れないわけですよ。


その話おわったあと、オレはもうどうにもこうにもハラワタ煮えくり返って収まらなくて、自分は何か悪い事したのかね、とか思って。


今週もう一度この件詰める。どうやったらお互い最良な形で着地できるか。いわゆるあれか。ウィンウィンの関係ってやつだなw


ともかくあれだ。時と場合にも寄るけど、基本的に仕事上での泣き落としだけはマジでやめてほしい。特に親密じゃないときとか、引く人多いと思うし*3。気をつけたほうがいいです。

*1:この件も大変だった。依頼主と直接話せなかったので、彼のイメージで伝えられたアレンジを最初施したところ、ダメだしを食らう。はぁ?となって、そんで改めてイメージ聞いたら最初に言ってたのと全然違うじゃん!orz で、もうしょうがないから、次の時には最初から3種類持っていったのだ。

*2:病気のことは本当らしいけど

*3:オレの知人で、そう言われて「そうですか、私もそのギャラでは余命半年になってしまうのでお請けできません」と答えた人が居る。すごい。