始まりの始まり


「終わりの始まり」―― 音楽業界の2007年と2008年 - くだらない踊り方

最初に書いておきますが当エントリは初投稿されてから今回まで、タイトル含め3度書き直しました。当初は延髄反射の小汚い罵詈雑言に終始、その後、冷静に大人の文章を書きました。しかしそれでも私の気持ちを充分伝え切っていないような気がします。

現時点で彼のブクマ数は500を越えており、翻って私のブクマは僅か2個。どちらが受け入れられたか明らかです。

私の担当は製作であり、どちらかというとアーティスト側です。想像ですが彼はその部署ではない気がします。おそらく現実的であることを常に求められる現場なのでしょう。その時点で私たちは水と油です。私は常に「コップにはまだ水が半分ある」と考える人間です。

私が一番ショックだったのは彼が評論家的であったこと、もっと言うと夢も希望もない展開のままエントリを書き終えていることです。そこに配慮があったなら私は許せたかもしれない。業界は彼一人でやっているものではありません。大勢の人を巻き込み、リスナーを不安に陥れ、事実上の営業妨害です。そこに配慮がない時点で、私は彼が音楽業界向きではないと判断しました。

前置きはこれくらいにして、というかこれが既に本文のようになってしまいましたが、以下の部分が前回の本文となります。


上記エントリ、またはそれに限らず彼のブログのエントリ全体に言えるのですが、当事者でありながら何の解決法も展望も述べず、言うなれば「愚痴」ですよね。

あまり言いたくありませんが、書かれていることはほぼだいたい合っていると言ってもいい。現場の人間達の認識もそのとおりだと思います。

しかし、それをこうしてブログで書くことで救われるのは id:rmxtoriひとりだけです。貴方(rmxtori氏)は「自分の業界はこんななんですよ」と吐露し、読者に媚びているわけです。その内容は、読者が潜在的に望んでいること、そのままです。音楽好きな連中や著作権利権ものに目ざとい読者が願っているそのままの内容で、ある意味予定調和でもあります。貴方は媚びて共感してもらって少しだけ楽になりたかっただけではありませんか?

確かに毎日毎日苦しい日々でしょう。「書かずにはやってらんねえ」と思う気持ちは痛いほど理解できます。しかしそれは貴方だけではありませんよね。みんなそこを耐えてがんばっているのではありませんか?

夢を食って生きてゆけるほど甘い業界ではありませんが、しかし売るものは「夢」なのではありませんか?


600近いブクマ数を集め満足でしょう。貴方はほんの少し気が楽になり、今日からまた少しの間だけ、前向きに生きられるでしょう。しかしこれを読まされた私はどうでしょうか。また日々頑張って音楽を創ってる人はどう感じるでしょう?

私にとって貴方のエントリは「裏切り」であると感じました。製作やクリエーター側の意欲を著しく損なうものです。さっきも書きましたが、救われるのは貴方だけです。

私がもし貴方の同僚で、貴方がそのようなことをブログに書いてると知ったら、「今すぐ辞めろ」と言っていることでしょう。

音楽に、要らぬ負の要素を加えて汚すような人間、クリエーターの気持ちも慮れない、そんな無神経な人間が、今後の音楽業界を救えるとは到底思えません。少なくとも私は一緒に仕事をしたくないし、同じ業界に居てほしくはありません。

他業種の人や評論家の方が、同内容を書いたとしたら私は「よく書いてくれた」というでしょう。また、貴方が書いたとしても、もっと感傷に走らない文体であったら感じるものも違ったかもしれません。


非常に悲しく残念です。



追記。
終わりの始まりのあとに(1) - 日々の音色とことば:
ほぼ同じ内容を感傷に走らず前向きに書いた文章が上記エントリ。しかし冷静に読むと、今までいろんな場所で散々書かれていたことと、そう違いはないことに気付く。id:rmxtori氏の文章の潜在的意図が理解できると思う。


追記2。
じゅうぶん読まれたようですのでオリジナルの文章も消去しました。