ソニータイマーの歴史


今さらですが、偶然見つけたのでメモ代わりに書いておきましょう。あくまで個人的意見です、とお断りしておきます。


ネットで囁かれる 「ソニータイマー」の正体 : J-CASTニュース
「ソニータイマー」という言葉 中鉢社長「認識」の真意 : J-CASTニュース


オレらが少年だった70年代から80年代にかけて、ソニータイマーという言葉こそなかったが、ソニー製の機器は概してそういう印象がある、ということは実しやかに言われていた。もちろん「私的」ではありますが、日本を北から南まで渡り歩いたオレの実感では、その「私的」な感覚は全国に散らばっていた気がする、という印象を(個人的にだが)持った。どこへ行っても、電気機器メーカの話になると「確かにそういう印象があるなあ」となり、自称「被害者」と「ソニー信者」との間で口論になったこともあった。


もちろんオレらは全員オタクであったので、表面的にそう言うだけに留まらず、その原因はなんだろうか?と探ったりもした。


そうして出した「私的」な結論だが、ソニー製品はスペック、デザイン、アイディアともに、あまりに高すぎる理想のもとで完成しているため、その完成品が、完成品である状態を保持できる期間がどうしても短くなってしまうのでは?ということであった*1


つまり、完成直後、新品の状態ではとてつもなく素晴らしい品物なのだが、その状態を維持することが素人では難しいってことではないか、と。


ここでひとつだけ擁護しておくと、うちのソニー製品は(ひとつ*2を除き)長持ちしている。それは「ソニー製品がそういうものである」ということを理解しているので、他の電気機器よりも大切に扱っているからだ。この「大切に」というのは、乱暴にしない、という意味と、必要以上に酷使しない、ということも含んでいる。


民生機器というと、どんな人が使うか判らないもので、極端に言えば、ぶん投げても水滴がかかっても「ちょっとやそっとじゃ壊れない」くらいがちょうど良いとおもうのだけど、ソニー製品はそこに重きを置いてないのかもしれない。


理想の完成度と、求められる完成度は違う。何でもかんでも音楽に結びつけるようで恐縮だが、素晴らしく完成度の高い楽曲が、売れたり褒められるわけではない。そこはバランスと見極めが必要だってことだろう。


しかし、みんながみんなジャンク製品、ジャンクフード、ジャンク音楽ばかりを産むようになったら、それはクリエイターとしては淋しいと思う。数あるメーカーの中で、たとえタイマー搭載だったとしても、なんだかわからない高尚な理想的製品を産んでしまう、ソニーという企業みたいなものが、ひとつくらいあっても良い気はするのだ。だってウォークマンがなければ、きっとiPodだって無かったはずだし、VTRに於けるBETAや8mmハンディカムだって、技術者的には最高の理想製品だったはずなのだし。


オタクの夢を形にする会社でいいじゃん。そういうことに夢を託すパトロンソニーは探すべきなんだ。多分秋葉原とかにたくさん居ると思うよ。

*1:つまり構成する全ての要素がギリギリの状態で成り立っている、というか。

*2:Hi8ビデオデッキEV-NS9000。これは構造上の欠陥があるのでは?と思う。それぞれの部分はいいものなのだが、おそらく1個体のなかに、それら全てを押し込んだ時点で干渉が起こるのだろうと想像している。何度オーバーホールしても、本当にタイマー搭載のごとく半年くらいで元に戻る。