MIDIは消えて良かったと思ってる。


かつてネットではMIDI音楽というのがあった。実はオレもすっかり忘れていて、昨今のニコニコ系権利問題の流れで思い出したのだ。権利団体の圧力で、あっという間に(ほんとにあっという間だった)消えた。


MIDI音楽というものがオレは大嫌いだった。個人的意見だと断っておくけども、叩かれるの承知で書くけども、あれは本当にひどい。恐らく耳コピ*1なんだろうけど、コードもめちゃくちゃでメロも適当、改変当たり前。オリジナル作家が聴いたら泣くよ?あれ。私の曲はこんなじゃないっ!!とね。


例のネズミの著作権もそうなんだけど、クリエイター側にとっては、お金の問題というより、勝手に変えられることへの激しい拒否反応というのも、一般の人の想像以上のものがあると思う*2


オレらはオタクだ。ウルトラセブンのことを以前書いたが、要するに細かいんだよ。


サザエさんだってネズミだってロボットネコだって、凄く考えられてデザインが出来てるはずだ。キミの書いたその画は、耳の位置は違う!目の間隔が違う!って思うだろうし、ちょっと神経質すぎねえ?と外野が言ったところで*3、物を創る人間は元来神経質なものなのだ。


もちろんクリエイター本人の気質で、気にしないという人もあるだろう。それはそれで一向に構わない。しかし、それを嫌がる人の存在を無視は出来ない。


数あるMIDI音楽の中には優れたものもある。しかし、当時、一般のサイトから流れて来たあれらの音楽は、耳を覆うばかりのものも多かった。厳密に言えば「間違っているもの」ばかりだった。使用料払えってことではない。完成度のひどさ(というか完成してないが)に苦言を呈している。初めてその曲を聴いた人に「つまらない曲だな」と誤解を与えてしまったら妨害にもなるし。


ほんとに個人的にだけど、あれは規制されて本当に嬉しかった。初めてあの団体に感謝したよw


そういう意味では、オリジナルの音を切り刻んで作ることが主流になった今の状況は、オレにとっては、もう全然許せる範囲内である。元の音の配列とメロはそのまま(途中で切られてたとしても)生きてるからだ。というか、そもそも変えられないのだからね。


それもあって、今の状況は、個人的には結構静観していられる。

*1:もしくは、下手すりゃ記憶コピーw うろ覚えで打ち込んでるってやつ。楽譜購入して打ち込めば少なくとも音楽的には正しいものに近づくが、普通そこまでしないしね。

*2:いまひとつ実感が沸かない、という人は、あの中国の遊園地を思い浮かべるといい。あのキャラたちのデフォルメ具合がそのまま音楽に当てはまってると思えばいい。

*3:さすがに、子どもには言わないよ。ただし、それを見過ごしてる保護者や大人には遠慮なく言う。さりげなく正しいものに誘導するのがお前らの勤めである、と。